◆日時 平成28年2月26日(金) 10:00~12:00
◆場所 静岡グランシップ6F交流ホール
◆参加者 170名(市P連副会長、各小・中学校の母親委員およびPTA 会長)
◆内容
○講演会
演題:「子どもたちを取り巻くネット環境の実情と親としてわが子を守るためには」
講師:「安川 雅史氏(全国web カウンセリング協議会 理事長)」
【プロフィール】
北海道上川郡出身。ネットいじめ、少年犯罪、ひきこもり問題に本格的に取り組み、全国各地より年間200 会場以上で、心理療法カウンセリング講座および、思春期の子ども対応研修会を実施。最近5 年間の受講者は20 万人を越える。
【内容】
・広がる画像ネットトラブル
安易にネットに画像をアップする子どもたちが多いが、写真についているGPSの位置情報により撮影場所が特定される。画像情報からストーカー被害に発展する可能性もある。写真は位置情報を載せないように設定する必要あり。また自分以外の人が写っているときには必ず相手の了解を得てからアップすること。
・ネット社会の怖さ
少年犯罪について、報道では名前が公表されなくても、ネット上ではわかってしまう。さらに当事者の周り(家族・友人)まで特定され、長期にわたって嫌がらせの電話やいたずらが絶えない。当事者の周囲も精神的に追い詰められてしまうネット社会の怖さ。何十年も前に学校でおきた犯罪がネットにアップされて消せないことにより、閉校してしまった学校もある。
・フィルタリングの重要性
犯罪に巻き込まれた子の95.2%はフィルタリングをかけて無かった。スマホ、DS、携帯音楽プレーヤー、タブレット等フィルタリングはトラブル回避の必須手段。
→石川県では、「
親子のホッとネット大作戦」というもので、初心者向けフィルタリングの方法を解説している。ネットで検索できるので是非参考にしてほしい。
・フィルタリングによる制限について
フィルタリングをすることによって、やりたいことやアプリが使えないという話をよく聞くが①LINEは使える②音楽ダウンロードも動画も見れる(違法のもの以外)③クーポンも取れる(取れないのは成人向けのクーポン)④ゲームやアプリの利用については制限がかかるが、事前に親子で話し合う機会がもてる。
・ネット依存のこどもたち
オンラインゲームに依存しやすい子は周りに流されやすい子(断れないタイプ)。最近のこどもたちは集まっても各々がスマホでゲームをしたり、LINEをしていたりして、実際に顔を見て話すことがなくなってきている。「ネットで話す友達を作る」より、「本音で顔を見て話せる友達を作ること」が大事。
・スマホが学力に与える影響
脳トレで有名な東北大学加齢医学研究所所長の川島教授の調査によれば、スマホの使用時間が学力に影響を与えていることが判明している。一時間以上の連続使用で、脳の前頭葉の記憶能力を低下させる。
・子どもたちにネットの危険性を話し、ルールについて親子で話しあおう
・夜遅く使わない(長時間使わない)
・自室に持ち込まない
・寝る1時間前には終わらせて、リビングで充電する
Q.ネット依存か否かの判断基準は?
A.以下に該当する場合はネット依存者もしくは予備軍と思った方がいい。
・利き手ではない方で、スマホを使用している
・常に体に接するところにスマホを保持している(着信していないのに、振動を感じる)
・学校に内緒で持っていっている。
・予備バッテリーか充電器が常にかばんに入っている。
・スマホをトイレやお風呂にも持っていく。
・スマホを握ったまま寝ている。
・歩きながら、または自転車に乗ったままスマホを操作している。
【感想】
今回の講演は、保護者にとってたいへん怖い内容でした。子ども達の身近な機器(ゲーム機、携帯音楽プレーヤー、スマホ、タブレット、パソコン)がネットにつながっていることは理解していても、どう使っているのかは本人任せになってしまっている家庭がほとんとだと思います。ネットトラブルは決して他人事ではないことを実感すると共に、親の無関心で子どもたちが簡単にネットトラブルに巻き込まれる…これだけは防がなくてはならないと思い、フィルタリングや、親子でスマホやゲーム機の使い方について、改めて家族で話し合わなくてはと痛切に感じた講演でした。また数多くの保護者にこの講演を聴いてほしいとも感じました。
○各ブロック長から一言
今年度は全てのブロックが活発に活動されていました。各ブロックの活動の詳細は、母親委員会のホームページ及び、各学校の母親委員さんに配付した「活動報告書」を参照ください。
正副ブロック長さんには最後に舞台に上がっていただき、ブロック長さんから一言ずつ感想とコメントをいただきました。主な感想としては、学校の枠を越えて、ブロック内の母親委員さんたちが協力して活動を進められたことに感謝の言葉が数多く述べられました。