平成26年度 静岡市PTA連絡協議会
成人教育委員会・校外生活育成委員会 合同研修会 報告
日時:平成26年7月5日(土)14:00~16:00
場所:静岡商工会議所 5階ホール
成人教育委員会と校外生活育成委員会は、7月5日(土)に両委員会の合同研修会として、「声のもつ力~ぬくもりのコミュニケーション~」と題する講演会を開催しました。講師としてお招きしたのは、ヴォイス・セラピー実践研究家(元SBS静岡放送アナウンサー)の上藤美紀代(うえふじ・みきよ)氏です。当日は、梅雨のまっただ中で午前中は天候がぐずつき足下の悪い中でしたが、両委員会の委員・市P連の役員を中心に、200名を超える保護者のみなさんにご参加いただきました。
講演は、金子みすゞさんの詩の朗読から始まりました。ヴォイス・セラピーとは、「相手に安心や慰めを与える温かい声で働きかけ、相手の心を癒やし、また心を開くように促し、相手が自ら声を出し(話し)活性化するように助ける行為」を指す言葉だそうです。会場で聞いていた私たちは、いつしか上藤さんの心地よい声、そして自然な語り口にどんどん引き込まれていきました。
「人は声を出せば元気になれる」という上藤さん。子供の頃からしっかりと口を開けて、大きな声を出すようにしていれば、いつしか顔の表情も、そして声(による表現)も豊かになるとのこと。実際に、上藤さんに先導されながら会場の全員で発声練習をし、声を出すことの意味を実践的に学びました。
もちろん、言葉は自らの思いを乗せて発するだけではいけません。相手の声に耳を傾けながら、そして相手を思いやりながら声を出し、声を遣うことが大事だと説く上藤さん。相手の言葉を聞き、受けとめ、うなずきながら、心をこめ、三分咲きの笑顔で「ええ」という2文字を発することが、いかに人にとってよい声となるか、実演を交えながら教えて下さいました。
講演の最後は、新井満さんの手になる「般若心経」の自由訳の「読み語り」。私たちがよく耳にするのは「読み聞かせ」という言葉ですが、上藤さんは「読み語り」という言葉を使うそうです。小学生は、非常に優れた(あるいは豊かな)感受性があるので、変に抑揚をつけたりするとその感受性をシャットダウンしてしまう、だからこそ聞かせるというよりも、語りかけるようにした方がよいとのこと。参加者の心には、上藤さんの静かな「読み語り」の声が染みわたりました。
合同研修会の終了後は、会場を移して、上藤さんにもご参加いただき、市P連役員や両委員会の委員(市内の各小中学校のPTA会長が就任)と、講演を受けての意見交換を行いました。
市P連では、これからも、研修等を通して、子供に対する接し方など、保護者の抱える悩みを共有しながら一緒に問題を考えていく機会をできるだけ作っていこうと考えています。今後も魅力ある研修会を企画するよう努力いたしますので、積極的にご参加いただければ幸いです。