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各校PTA活動報告

 
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第66回日本PTA全国研究大会 第8分科会「健康安全」報告
2018-09-13
第66回日本PTA全国研究大会・第50回日本PTA関東ブロック研究大会新潟大会
第8分科会「健康安全」 報告

副会長 宮下 修一(大谷小学校PTA)
1.分科会のテーマとオープニング
 2018年8月24日(金)・25日(土)の両日、新潟県において、第66回日本PTA全国研究大会、そして第50回日本PTA関東ブロック研究大会の合同大会が開催されました。前日、日本を直撃した台風20号の影響が心配されましたが、幸い24日(土)の朝には通り抜け、新幹線の到着は若干遅れたものの、無事に参加することができました。本報告を執筆した宮下は、神谷理事・粂田理事・古畑理事・山田清水五中会長とともに、新潟市のANAクラウンホテルプラザ新潟で開催された第8分科会に参加しました。今回のテーマは、「子どもたちの笑顔を、そして命を守るために~児童生徒の事件や事故への対応と未然防止に向けた取組~」です。
オープニングは、勇壮な「万代太鼓」の演奏で開幕。小学生をメンバーとする「万代太鼓 和童」、40年以上活動を続けてきた「宮浦中学校万代太鼓委員会」、大人を中心とする「新潟万代太鼓 華龍」の特別編成。年代を超えた見事なコラボレートに、会場中が魅了されました。
 
2.基調講演
 いよいよ開会です。今年に入って度重なって発生した自然災害の犠牲者への追悼、主催者・来賓の挨拶の後テレビのコメンテーターとしてもお馴染みの新潟青陵大学大学院教授・碓井真史氏による基調講演に移りました。
 講演では、新潟市で起こった小学生の殺人事件などにも触れながら、何と言っても命を守らなければならない、それ失われれば取り返しがつかないとしたうえで、しかし、命さえ守られればよいのか、という問題提起がなされました。すなわち、子どもの命を守ると言っても、子どもたちをずっと家の中に閉じ込めて一切人間に関わらせないようにすることはできないわけですから、命を守るということを今一度考えて見る必要があります。碓井氏は、よく「命を守る教育」というが、それはそれとして重要ではあるものの、猟奇的な殺人等はそれでは防げないこと、また、子どもたちを狙う犯罪はプロではなく素人によることが多く、このような素人犯罪は多くの場合は「不幸な偶然の積み重ね」によること等、近時の子どもを狙う犯罪の傾向について具体例をあげて言及されました。そして、学校現場ではいろいろとたいへんなことが起こっているが、そこには子どもたちがいることを忘れてはならない、また、自らもPTA会長を務めたことがあるが、その経験をふまえて、PTAは、ぜひ校長先生をはじめとする教職員を支え、そして学校と地域とともに協力態勢を築き、子どもたちの安全を守り、その笑顔を取り戻していく方法を考えていかなければならないと述べて、1時間にわたる講演を締めくくりました。
 
3.実践発表
 休憩を挟んで、新潟市小中学校PTA連合会の現・元役員のみなさんから、「新潟市小中学校PTA連合会3年間の実践」と題する実践発表が行われました。まず、平成26年に新潟市内の中学生がマンションから転落した事故をきっかけに、平成27年に同連合会が新潟市校長会の協力を得て「学校・PTA連携緊急対応フローチャート」を作成するに至った経緯、そして、平成27年度から28年度にかけて行われた研修等を通じた周知を含む具体的な運用の状況が、会場で配布された実際のフローチャートを参照しながら語られました。マスコミ取材などがある中で、子どもたちをどう守るか、という強い思いでひたむきに取り組んできた様子がひしひしと伝わってきたのと同時に、緊急事態が発生した場合に備えて学校とPTAの日頃からのしっかりと連携していくことの必要性を深く考えさせられる機会となりました。
 また、平成29年度に市内の中学校のPTAが同学校区内の小学校のPTAと共同で実施したSNS家庭教育研修会の様子が、その際に用いられたDVD教材を上映しながら紹介されました。研修会は、グループごとに議論が行われ、その結果を会場全体でシェアするとともに、最後に各自がSNS利用に関する「わが家のルール」を作成するという形で行われ、参加者からは非常に高い評価が得られたとのこと。このように、参加型の研修を通して会場全体で共通のテーマを考えることの重要性を改めて認識することができました。
 
4.パネルディスカッションとエンディング
 引き続き、新潟兼学校教育課元指導主事(現・新潟市立中学校長)をコーディネーターとして、基調講演を行った碓井氏、実践発表を行った新潟市小中学校PTA連合会の元会長(現顧問)、千葉県PTA連絡協議会副会長、川崎市PTA連絡協議会元会長をパネリストとして、パネルディスカッションが行われました。
 参加したパネリストがPTA役員を務めたいずれの地域でも、子どもたちの貴重な命が殺人という形で奪われる悲惨な事件が起こりました。それをふまえて、事件・事故発生後に収束へ向けてPTAとして何ができるかという点について、事件直後のマスコミの取材攻勢ヘの対応方法、さらに各単位PTAと各地の連合会との連絡体制の確立するために日頃からの連携や信頼関係を構築することの必要性などが、それぞれの実体験を踏まえて議論されました。また、事件・事故を未然に防ぐための取組みについて、それをするためにも日頃の子どもの様子に対する気づきがまずは重要であり、さらに日頃の見守りと組織的な対応が必要であるという重要な指摘がなされました。
 今回のパネルディスカッションは、現実に悲劇を目の当たりにしたパネリストの言葉、そしてコーディネーターの「失われた命は二度と戻らない」という言葉の重みを前にして、子どもたちの安全を守るためにPTAとして何ができるか、深く考えさせられる時間となりました。
 終了後、兵庫県PTA協議会のみなさんから次回兵庫大会の紹介が行われました。そして、閉会の挨拶を経て、分科会は幕を閉じることになりました。
 
5.分科会全体を通して感じたこと
 PTAの役員として、なにより一人の親として、わが子を含む子どもたちが安心に、そして安全に学校に通学でき、毎日笑顔で暮らしていくことこそが、何よりも嬉しく、そして何よりも願っていることです。しかしながら、安心・安全という、どことなく当たり前に感じていることが、日常生活の中でいとも簡単に脅かされてしまう事件や事故が、連日のように報道されています。そのような状況を防ぐためには、PTAと学校、地域が日頃から連携して子どもたちの様子をしっかり見守っていくことが必要であり、また、残念ながら、いざ事件や事故が起こったときには、PTAと学校、地域が密に連携して一体となって対応していくことが不可欠であるということを、今回の分科会で強く認識することができました。
 子どもたちがいつまでも笑顔でいられるために、親として何ができるか――この機会に、周囲の親や子どもたちとも議論をしながら、しっかり考えていきたいと思います。
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